咳が出る

咳が出る原因

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 咳は、健康な人がだれでも持っている生理的な大切な働きです。

 咳は、本来は有用な反射機能なのです。喉や器官、気管支の粘膜が刺激されると、その刺激が迷走神経を伝わって延髄の咳中枢に達し、そこからの命令で肺の空気を爆発的に噴出させる咳特有の運動がおこり、有害物を放出してしまいます。

 病気で出る咳も、喉や器官、気管支の粘膜の刺激で起こる点は同じですが、いたずらに人を苦しめます。たとえば粘膜に炎症が起こって表面が荒れたりただれたり、あるいは粘膜の分泌が多くなったりすると、粘膜が刺激されて、咳が出ます。

 また、肺でできた痰が、気管支から気管へと通るときに粘膜を刺激し、そのために咳が出ることもあります。これらの咳は、刺激の原因が続くかぎりしつこく続きます。それは苦しいばかりで、病因を排除するうえにも病変部を回復するうえにも何の役にも立ちませんが、病気の存在を知らせてくれる警報としての有用性はあります。

 ★ 咳の手当

 咳の手当は、もちろんもとの病気を治療することが大切です。しかし、その治療が効果をあらわすまでの間、あるいは診断がハッキリしない時期に、なんとか咳のそのものの苦痛を緩和しようと努力することは必要です。

 それには薬局で相談のうえ、咳止め薬を使うのも良いでしょう。痰には去痰薬(痰を切れやすくする薬)を加えたものが効果的です。

 それとともに、咳を激しくしないように、できるだけ工夫することが大切です。どうしても出てくる咳はしかたありませんが、のどの奥がイライラするからといって、それを取り除くために強い咳をするのは禁物です。

 喉がイライラしたようなときは、つばを飲み込むようなことをして、なるべくごまかすのが良いのです。そのように心がけることで、同じことでも咳を早くとめてしまうことができます。

 ★ 急性の咳

 ● 鼻汁が出てのどが痛い
 このような症状のあとに咳が出るのは風邪で、多くは、乾いた(痰のない)咳です。

 ● はじめはかわいた咳でだんだん湿った(たんのある)咳になる
 このような経過を示すのは、たいてい急性気管支炎で、咳は、そうとうに激しいものです。
 
 ● 膿性のたんが多量に出る
 この場合は気管支拡張症が考えられます。

 ● 高熱と頭痛がある
 咳が出て高熱と頭痛を伴うときは、たいていインフルエンザです。

 ● 発熱と胸痛がある
 乾いた咳が出て熱と胸痛を伴うときは、胸膜炎、湿った咳の場合は肺炎、悪臭のある痰の出るときは肺化膿症が考えられます。

 ● 熱はなく胸痛がある
 自然気胸では、熱はふつうありませんが、乾いた咳とさすような胸痛、呼吸困難が急にあらわれます。

 ● 呼吸が困難になる
 咳が出て呼吸困難が伴う病気は、胸膜炎、肺炎、肺化膿症などがあり、血痰が出て呼吸が苦しくなるときは、肺塞栓・肺梗塞が考えられます。心臓病があって、泡のまじったピンク色の痰を出すときは、肺水腫が考えられます。

 ● 特殊な咳が出る
 犬の遠吠えのような咳が出るときは喉頭ジフテリア、咳が一息で5〜20数回も続き、息を吸い込むとき笛を吹くような声が出るときは百日ぜき(はじめは、風邪と区別できない咳、かれ声ではじまる)です。

 ★ 慢性の咳

 慢性に続く咳は、はじめ急性に起こって、それが慢性になったものと、初めから慢性的にいつからともなく起こったものがあります。

 ● 力のない咳をする
 肺結核のときにみられますが、必ずしも力のない咳ばかりとはかぎりません。慢性咽頭炎、慢性喉頭(こうとう)炎でも、しばしばこのような咳がでます。

 ● 慢性の呼吸困難がある
 慢性に咳が出て、しかも呼吸困難がある病気は、肺気腫、肺線維症などです。

 ● 咳が長期間続く
 おもな病気は、慢性気管支炎、肺結核、肺がん、肺吸虫症です。慢性気管支炎はすぐには危険のない病気ですが、治療がなかなか困難で、ことに都会の空気汚 染のひどい環境では症状も強く、なかには喘息に似た激しい咳と喘鳴(ぜんめいーぜいぜいということ)をあらわすことがあります。

 肺結核は非常に少なくなりましたが、現在でも、高齢の方で難治の肺結核を持っている人がいます。しかし、中年以上で、いつからともなく咳が始まったときは、むしろ肺がんが問題です。

 


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